幸せとはなんだろう。
長く生きることか。
偉大な成功を収めることか。
彼女がまだこの世にいたならば、たぶんもっといろいろなものを作って、いろいろな成果を収めたことと思う。
それを見ることができないのは、非常に惜しく、また悲しいことだ。
けれど、今の彼女は、少なくとも不幸せではないと思う。
この世を去って数年経って、それでもまだ彼女を思う人がたくさんいる。
それはきっと彼女がただ漫然と生きていたからではなく、自分がなすべきことに邁進していて、その姿が彼女を思う人を作ったからだ。
もし、ぼくが明日この世を去ったなら、その先もぼくの思ってくれる人がどれだけいるだろう。
ぼくは自分の歩むべき道を歩めているだろうか。
いつか、彼女に会う機会があるならば、その時は胸を張っていられるように。
そんなことを思う。